学会長再任挨拶

学会長の再任に当たり

会長 諸澄邦彦

 

 6期目となりますが、会長として、再度の信任をいただきました。本会の今までの活動を振り返り、今後の学会運営に2つの課題を提案したいと思います。

 東日本大震災から2年が過ぎたい今、復興の道は錯綜しています。その原因の一つが、低線量放射線の影響で、「消費者の安心のため」と、厚生労働省がまとめた食品中の放射性物質に関する規制値は、消費者にメリットは無いと思います。放射線は微量でもそれなりの確率でがんを増やすという「線形閾値なし」モデルの立場をとれば、健康へのリスクはなるべく減らす必要はあります。しかし、食品中の放射性物質に関する規制は、放射線のリスクだけでなく、農業などの産業再生が妨げられるリスクも勘案して、総合的に判断しなければならないと思います。そこで、われわれはこの問題に、どのように係わるかを考えた場合、リスクコミュニケーション能力の啓発を提案したいと思います。

 2点目の課題は、昨年6月20日に成立した原子力規制委員会設置法の附則第12条に、原子力基本法の改定が盛り込まれたことです。「基本方針」第二条の2項として、「前項の安全の確保については、確立された国際的な基準を踏まえ、国民の生命、健康及び財産の保護、環境の保全並びに我が国の安全保障に資することを目的として、行うものとする」という条項が追加されました。原子力基本法は憲法に次ぐ重い法律であるにもかかわらず、個別法によって何故変えられる必要があったのでしょうか。本学会は、「医療放射線 法令・立入検査手引書」の出版等の実績を踏まえ、放射線関係法令にも視野を広げ、放射線による公衆への危害を防止するための調査研究も行いたいと思います。

 平成15年3月の設立以来5期10年務めてまいりましたが、その集大成として、本学会員を含む診療放射線技師のみならず国民の放射線安全と安心の確立のために努力したいと考えております。

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