年頭のご挨拶
年頭所感
2016年の新春を迎え,謹んで新年のお喜びを申し上げます。
日頃より本学会活動に対して,ご理解とご協力を頂き感謝を申し上げます。
さて,昨年(2015年)6月7日に「最新の国内実態調査結果に基づく診断参考レベルの設定」と題して日本版の診断参考レベル(DRLs)が医療被ばく研究情報ネットワーク(Japan Network for Research and Information Medical Exposures;J-RIME)(以下「J-RIME」という。)から公表されました。これによって診療放射線技師の成すべき一つの業務が明確に示されたといえます。日本放射線公衆安全学会では2000年10月に日本診療放射線技師会が医療被ばく低減目標値として公表した「医療被ばくガイドライン」の策定から2006年の改訂に深く関わってきました。諸澄前学会長の指揮のもとに築かれた大きな柱の一つでした。その台の上に診断参考レベルとして関係諸団体の協力により公表されたもので日本国内での医療被ばくに対する次のステップが示されたものと受け止めています。医療被ばくに関する定期的なデータ収集,評価,最適化(適正化)を繰り返し時世に応じた医療被ばくを考えていく必要があるわけです。そのためには診療放射線技師が事態を真摯に受け止め,具体策を提案し行動を起こさなければなりません。日本放射線公衆安全学会にとっても諸澄前学会長の築き上げた活動を次のステップに移行し進化させなければならない大事な年になると考えています。日本国内の医療放射線利用にDRLsを定着させるには,多くの会員の方の力を借りなければ達成することができません。放射線防護や放射線管理に関する研究事業も引き続いて行い,質を高めていくステップアップの年となるよう活動を深めていきたいと思います。学会新体制が受け継いだバトンをしっかりと握りしめ,次のステップに渡せるようご支援を頂けるようお願いし年頭所感とさせていただきます。会員の方々にとって更なる飛躍の年であることを祈願します。
2016年1月1日
会長 清堂 峰明