日本放射線公衆安全学会第27回講習会印象記

 

印象記 No.1

笛吹中央病院 小林 なつ子

日本放射線公衆安全学会第27回講習会~スムーズな医療被ばく低減施設認定に向けたセミナー~に参加させていただきましたので報告させていただきます。
講習内容は『認定取得に必要な書類の書き方、まとめ方』、『自己調査評価票の解釈の仕方と評価基準』、『DRLs・ガイドライン値との比較(最適化)の指標』、『サーベイヤーが着目するポイントについて』の講演でした。とても興味深い内容でそれぞれの講師の先生方も現場で実際に業務しながら医療被ばく認定を取得されたため、実体験等も含めとても実践的な話を聞くことができました。
いちばん時間を割いていただけたのが『グループに分かれて、いろいろ聞こう』です。数人ずつのグループに分かれサーベイヤーを実際にされている講師の先生への質問タイムです。私の中では、「認定取得に向け頑張ろう!」という気持ちは以前からあったのですが・・・いざ始めるとなると何から手をつけたらよいのか?職場の人たちにどのように手伝ってもらったらよいのか?病院への申請・職員への意識付けはどのようにしたらよいのか?など分からないことだらけでしたが講師の先生方は一つひとつ、とても親身になり丁寧にアドバイスをしてくれました。私が不安や、疑問に思っていることは他に参加されている方たちも同じように不安や疑問に考えており、参加者同士でもいろいろと意見交換できたことは大変有用でした。
最後に、講師の先生方から「各々の施設で頑張って取り組んでいることを是非たくさんアピールしてください」とのアドバイスを頂きました。今までは、準備項目にあげられていることを完璧にしないといけないことばかり考えていました。しかし、日々の業務内容を思い返してみると、改善しなくてはならない点はたくさんありますが、良い点もいくつかあることに気がつきました。今後は、出来ていないところを補いつつ、頑張っているところは更に伸ばしていきたいと思いました。
今回参加させて頂いた講習会から得た知識を活かして、医療被ばく低減施設認定取得に向けて取り組んでいきたいと思います。運営役員・講師の先生方におかれましては、お忙しい中、有意義な講習会を開催して頂きありがとうございました。

 

印象記 No.2

JCHO船橋中央病院 鈴木 明日美

はずかしながら私が医療被ばく低減施設認定という存在を知ったのはつい最近のことでした。是非挑戦してみたいと思い放射線管理士の認定を取り自己調査評価票に目を通したものの、マニュアルもない、線量推計ソフトもない、測定機器もない現状で途方に暮れていました。どのように施設認定の取得に向けての一歩を踏み出せばよいのか、また、何か一つでもそのヒントが得られたらという思いでこの講習会に参加させていただきました。
午前中はサーベイヤーである講師の皆様から認定の中で最も重要なポイントについてご講演をしていただきました。申請までに認定審査項目の全てがA評価になるまで準備しなくてはと、気が遠くなる思いでしたが、必須項目がクリアされ他の項目も含めC判定がなければ書類審査にまで進めるというお話をいただき、それなら頑張れそうだと希望が持てました。そして午後からはグループワークを行いました。なにより嬉しかったのが施設認定取得までの進度別にグループが分かれていたことです。1グループ4、5名の構成にサーベイヤーが1名ついていただき初歩的なことも気軽に質問することができました。同グループ内の参加者からも様々な質問があり、私が見逃していた点についても一緒に聞くことで多くの情報を得ることができました。質問に対するサーベイヤーの皆様のアドバイスは的確であり、また、認定取得までを実際に経験されているからこそわかる様々な苦労を乗り越えるためのちょっとした視点や、工夫などのお話もしていただきました。この講習会には、認定取得のヒントを・・・という期待を持ちで参加しましたが、それ以上のものを得ることができました。やはり審査をしている方からお話を聞くのが一番の近道だと思いました。また、サーベイヤー、参加者の皆様とのつながりを持つことができ、今後認定取得に向けた活動をするうえで大変心強いことだと感じました。そして講習会をきっかけに今、早速、線量データの取得に向け動き出すことができました。本当に参加してよかったと改めて感じました。
最後に、丁寧なアドバイスをいただき私たちの背中を押してくださった講師の皆様へ感謝の意を込め、当院でも医療被ばく低減施設認定の審査に手を挙げる日を必ず迎えられるよう活動を進めていきたいと思います。