被ばく線量の記録を義務化

すでに、新聞各紙等でご存知の方も多いと思いますが、厚生労働省は医療放射線による患者等の被ばくの低減を図ることを目的に、医療法施行規則を改正し、各医療機関に被ばく線量を記録することを義務化する方針を固めました。

厚生労働省の『医療放射線の適正管理に関する検討会』で1年以上にわたり審議された内容で、X線CT装置やIVR等の被ばく線量が比較的高い検査に関してその線量値の記録を求めるとともに、医師に対しても不必要に放射線診療を行わないよう研修等を実施することも盛り込まれています。また、われわれ診療放射線技師に対しても、同一部位の撮影であるにもかかわらず施設間で被ばく線量が数倍も異なる現状を踏まえ、最適化に向けた診断参考レベル(DRL)の導入等も検討されているようです。

法令改正後は医療機関側の対応準備期間を数年設けた上で施行される予定ですが、現在、日本診療放射線技師会が行っている医療被ばく低減施設認定やレントゲン手帳等の施策は、より重要視されて行くことが予想されます。

本会でも今後の動向に注視しながら、時宜を得た講習会の開催や情報提供に努めて行きたいと考えています。

なお、『医療放射線の適正管理に関する検討会』の審議内容については、下記URLにて公開されていますので関心のある方は参照ください。

http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-isei.html?tid=436723