第13回講習会 『放射線検査説明・相談のポイントを学ぶ』

第13回講習会開催

 平成23年10月23日(日)東京都大田区産業プラザPiOにて「放射線検査説明・相談のポイントを学ぶ」―検査概要、被ばく影響、造影剤、検査目的等を的確に説明するために―と題し第13回講習会が開催されました。全国より67名の参加となりました。各分野の講師より、講習会の表題に沿った専門的な講義がされました。総合討論の場においても活発な討議がされ、講義内容をより深めあいました。早速、参加者からレポートが届いていますので紹介します

 

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「放射線検査説明・相談のポイントを学ぶ」を受講して

 

順天堂東京江東高齢者医療センター 川﨑英生

 

平成23年10月23日(日)大田区産業プラザPiOで開催された日本放射線公衆安全学会第13回講習会「放射線検査説明・相談のポイントを学ぶ」を受講させて頂きました。

当日は10月と思えない程気温が高かったのですが,講習会もそれに負けないくらいの熱気溢れるものでした。

昨年4月に厚生労働省は,「読影補助」「検査の説明・相談」が診療放射線技師の役割であり積極的な活用を提言しました。今回の講習会はそれに対応する内容でした。焦点を説明・相談に絞り,一日でモダリティ毎の講習だけでなく被ばく相談まで網羅しておりました。そのような講習会は他では無く大変有意義な講習会でした。

講習会では各モダリティでの検査説明をどの様に行っているか,また行っていくべきかを解りやすく教えて頂きました。

説明手順,内容は検査ごとに講師の先生方の施設で実際に使用している説明書等を用いてお話し頂きました。またそれ以外にも,患者との信頼関係を築くためにはどうしたら良いか,話し方や態度,身なりといった接遇面が患者に与える影響等のお話もありました。さらには,再撮影を減らすコツや,医療安全に対する取り組み,被ばくのリスクと医療被ばくにおける被ばく相談と多くの内容が盛り込まれた講習会でした。そして討論会ではどこまで説明すべきか,同意書はどこまで必要か等,医療現場において診療放射線技師が直面している問題についての討論となり大変参考になりました。

普段当たり前に行っている検査説明ですが,今回の講習会を通して改めて説明・相談の大切さ,難しさを再認識致しました。

厚生労働省から診療放射線技師の「読影補助」「検査の説明・相談」といった役割が提言された事で職種の専門性が認められると共に責任を負う事になるとの事でした。今回の講習を通して説明・相談に対する患者にとってのメリットを改めて考え直し,患者へ還元していきたいと思います。

 

  

 

 

 

 

「放射線検査説明・相談のポイントを学ぶ」に参加して

                             新潟労災病院 阿部 猛

 

今回は、診療放射線技師の立場が以前より変わり、チーム医療といわれる近年、医師の診療介助を目的として放射線検査の説明ポイントを学ぶという課題に注目して参加させていただきました。患者に安全に検査を受けていただき、また、良い画像を提出するということは十分な検査説明が必要だということを改めて認識させられました。

一般撮影においては、「レントゲン検査」として患者からの認知度は極めて高いにもかかわらず患者と接する時間が短く、挨拶や非言語的コミュニケーションを取ることが不安を軽減する大切な事であると思いました。また近年、一般撮影ではFPDやCR等のデジタル化と画像処理能力の向上に伴い数秒で画像確認ができるようになりました。このことから撮影条件ミスというよりも撮影ポジションについての再撮影が頻繁になりつつあるという現状が報告されました。このような観点から、ミスフィルムを集めて部署内での検討をするなどして各々の技師にフィードバックする重要性を感じさせられました。

X線CT、MRでは、その検査の重要性や呼吸停止などの検査内容を十分な説明をすることで、より安心して検査を受けていただけることを再認識しました。また、造影剤の使用については造影剤使用時に起こる身体への影響を事前に説明することに加え、血中クレアチニン値を代表とする腎機能状況やビグアナイド系糖尿病薬の服用状況などを十分に把握し、必要な補液や服用の休薬を行うことが重要となる点についても改めて確認させられました。

IVRでは、他のモダリティとは異なり、カテーテルを血管内に挿入するという点や治療手技治などでは長時間に渡ることから排泄への不安を代表とし様々な不安が入り混じりってしまう状況があり、このような状況を解決し、安心して検査を受けてもらうためには「一声かける」ことが大切である点について再考させられました。

まとめとなる講義は「放射線被ばくへの相談」についてでした。近年は東日本の震災により一般市民の方々は、ホームページやマスコミ等より放射線の知識を得ており、エビデンスに基づく正しい説明を求められるようになっています。放射線被ばくについての単位や放射線の影響を説明する際には、ゆっくりと時間をかけ、患者が納得いくまでの説明が必要なのだと実感させられました。

全体を通して、放射線検査の分野は撮影の高速化により、私たち診療放射線技師と患者とのコミュニケーション機会が短くなり、十分な説明が得られないうちに検査終了という状況となってしまっていることを痛感いたしました。本講習会に参加して再度、検査説明の重要性をはじめ様々なことを認識させられ、有意義な時間をいただきました。今後、検査説明をする際は、今回得た内容を活用していきたいと思います。最後に、本講習会にて情報提供をしていただいた諸先生方に心から感謝いたします。

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